二世帯住宅

少子高齢化とは、出生率が低下する一方、平均寿命が伸びたことによって、人口全体に占める子供の割合が低下し、高齢者の割合が高まることをいいます。

その中で二世帯住宅の良さが現在見直されています。なぜ今二世帯住宅なのか。あらためて、そのメリットを考えてみましょう。

多世帯の住まい方への回帰

2016年に行われた最新の国勢調査では、65歳以上人口の割合で示す高齢化率が、過去最高となる26.7%に達したことがわかった。1920年の国税調査開始以来、高齢者が25%を超えたのは初めてのこと。また、一人の女性が一生に産む子供の平均数を示す合計特殊出生率は1.45%(2015年)と、1970年以降2%を下回り、少子高齢化が進んでいます。

一緒の家に住む家族構成も、高度成長期以後、急速な核家族化が進みました。

その結果、昔ながらの地域の繋がりが希薄になったことや高齢者の孤独死、家事や育児の負担が偏る等、様々な核家族化による弊害が社会問題となっています。

そのような中で起きたのが、先の東日本大震災。この災害をきっかけに、「家族の絆」というものを、今一度見直した方も多いのではないでしょうか。その影響もあり、核家族から二世帯住宅への回帰の動きも見られるようになってきました。

では、実際にこれから二世帯住宅を建てることを考えた場合、経済的側面では、どのような魅力があるでしょうか。

相続税対策にもなる二世帯住宅

二世帯住宅で家族と同居している場合、相続税の対策に大きなメリットがあります。

通常、土地や建物等の不動産を所有している方が亡くなった場合、その資産を相続する方は不動産の評価額に対して相続税を現金で支払う必要があります。

相続財産の中での土地の評価額が高いと収めなければならない相続税も多額になりますが、二世帯で暮らしている世帯の場合は、相続税を計算するための土地評価額を8割減(2014年までは240m2以内、2015年以降は330m2以内)に出来る「小規模住宅地等の特例」があります。

この特例を満たす要件は3つあります。
1.土地を配偶者が相続する場合
2.土地を同居していた親族が相続をする場合
3.「配偶者」「同居していた親族」ともにいない場合、亡くなるまでの3年以内その人、またはその人の配偶者が所有する家に住んだことがない親族が相続する場合

2のケースが、二世帯住宅等の家族同居のことを意味しています。
特に土地の評価額が高い地域でお住まいの方にとって、二世帯住宅は多額の節税対策が可能となる特例となりますので、ぜひ押さえておきましょう。

また、二世帯住宅は住宅費と生活費の経済的なメリットもあります。
家族が離れて暮らせば、当然住宅も2つ必要です。
二世帯住宅は複数の家族が住まうために大きな家が必要になりますが、別々で暮らすために2棟建てたり、賃貸するよりは建築費や家賃が一般的に安く済みます。
また、電気や水道等の光熱費も基本料金があるため、1つにまとめられた方が全体的には節約もできるでしょう。

多世帯を活用したローンの組み方

親子世帯収入合算でローンを組む
二世帯住宅で住宅ローンを組む場合、親子世帯の収入を合算して審査を受けることができます。
例えば、子世帯の年収300万円と親世帯の年収600万円を合算し、年収900万円でローン審査が可能となり、借り入れ金額を増やすことができます。
親世帯が年金受給者であっても、収入合算できる場合もありますので、金融機関に確認をしてみましょう。

親子リレーローンを組む
借り入れ当初から完済年齢(75歳~80歳が一般的)までを親世帯がローン返済をし、その後を子世帯が引き継ぐタイプです。
親世帯が高齢で、返済年数が足りなくローンが組みにくいけれども、現金は老後のためにできるだけ残しておきたいという場合に適しているでしょう。

いずれも住宅ローンの審査は通りやすく、借り入れ金額の増額が期待できます。
大事なことは、住宅ローンは数十年という長期間に及ぶことが多いため、安定した生活には余裕を持った返済計画を建てる必要があるということです。
例えば親世帯が退職をして年金受給者になる等の返済能力が減ってしまったり、病気や怪我で介護が必要になり、リフォームしなければならなかったりする等も考えられます。
子世帯としても、思ったよりも年収が上がっていかないということも考えられるでしょう。
親子世帯それぞれの先々を見据えたうえで返済計画をたてましょう。

二世帯住宅は魅力がいっぱい!

今後、ますます少子高齢化が進んでいくと、高齢の親世帯を1~2人の子世帯で支えて行かなければならず、現実的・経済的にも二世帯で住むという選択しかないという方も増えていくでしょう。
また、親世帯が高齢になると介護や生活費等、経済的にも精神的にも負担が大きくなるのも避けられない事実です。

それでもなお、東日本大震災後に日本中が家族の絆を見つめ直したように、もう一度、家族が一つ屋根の下で暮らすという意義を考えてみてはいかがでしょうか。

共働きの子世帯にとって、二世帯での生活は家事や子育て等の負担軽減にもつながります。
孫にとっても普段から祖父母からの愛情に触れ、より多くの大人と接することはコミュニケーション能力が育まれることにも繋がります。
祖父母も孫と住むことで活気ある老後の生活となるでしょう。

なにより、家に帰れば誰かが必ず迎えてくれる安息感と家族の絆を感じられる日々の生活は、何にも代え難い大切なものかもしれません。

次の項では、同居のストレスをなくし互いのプライバシーを守りながらメリットを高める方法。をご紹介します。

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